★Novel >> 本日開店/葉月 ルナ
| 「ほんじつかいてん………クマクマ堂??」 クマタンはご主人様と一緒に買い物に来ていました。 ご主人様の持っている篭の中にはシルヴィが入ってホクホクしてます。 今度の買い物では篭の中にクマタンが入る予定です。 「?どしたの〜?クマタン」 「あのね?新しいお店が出来てるの〜」 目の前の広告を見上げるクマタンの言葉に「本当だね」とご主人様は驚いています。 「そう言えば…鼓吹がそんな事言ってたなぁ……」 小さく呟いた後、ご主人様は篭の中のシルヴィと足元のクマタンに目をやりました。 「………入る?」 「「はーい!!」」 シルヴィはご主人様の腕にしがみ付いて篭から出て、クマタンの手を引っ張ってお店の中へと入っていきました。 そんな仲良しな姿を見、ニッコリ微笑みご主人様は中へと入っていきました。 「やぁいらっしゃい」 そこには……知り合いが立っていました。 「あれ?鼓吹」 ご主人様が笑顔で手を振ります。 その行動を真似て足元でシルヴィも両手を振り回しました。 知り合いの鼓吹さんです。その肩には使い魔の蛇、三線が乗ってご主人様へ軽く頭を下げました。 礼儀正しい蛇さんなのです。 シルヴィはその行動を見て「こんにちはー」と頭を下げます。(真似っ子兎さん) 「どうしたの?お兄さん」 クマタンはトコトコと鼓吹さんへ近寄って行きます。 ここにユエ君が居たらきっと。 『近寄るなっ!!!』と叫んでいた事でしょう。 本人は悪気が全く無いのですが……鼓吹さんの作る薬はトラブルの元になっている事が多いのです。 そのせいで……色々な事が起きます。 シルヴィを大きくして部屋に入れなくしちゃったり。 ご主人様の頭にシルヴィとお揃いの耳を生やしちゃったり。 キリチョの尻尾をクマタンみたいにしてみたり……… 悪気は全くありません。 ただ。 『こうなったら可愛いだろうなぁ……』と思っての行動なのです。 「ふふ、ここはね?僕のお店なんだよ?」 「え〜!?そうなの!!?」 クマタンは大きい目を輝かせて『凄い!』と憧れの眼差しを向けています。 「へぇ……そうなんだ」 「お兄さんすごーい!!」 シルヴィもご主人様も驚いてます。 鼓吹さんは嬉しそうに微笑んでいます。 ユエ君辺りが見たら『何を企んでる!?』と言いたくなる笑顔で。(本人は何も企んでいない) 「有難う、どうだい?クマタン」 「ほえ?」 目の前の青い薬を見ていたクマタンはその声で振り向きました。 クマタンの隣に膝をつき、鼓吹さんは問い掛けました。 「黎明の弟子じゃなくて……僕の弟子にならない?」 鼓吹さんは前からクマタンにこんな事を聞いてきます。 『僕の弟子にならない?』と…… 可愛らしいクマタンに自分の知識、薬品作りのいろはを教え込みたい。 そう鼓吹さんは思っているのです。 なんせクマタンにはその才能があるのですから。 隙があればいつでも鼓吹さんは問い掛けます。 けれど、いつ聞いても……答えは。 「僕は……シルヴィのお兄ちゃんの弟子だから、駄目なの〜」 クマタンはそう言って頭をペコリと下げました。 いつもその返事を聞き。 「そう?じゃあ……またね」 そう言ってクマタンの頭を撫でるのです。 もしかしたら……鼓吹さんは分かっているのかもしれません。 けしてクマタンがご主人様の元を離れない事を…… ご主人様一行が帰っていくのを見、鼓吹さんは店に並んでいる薬に視線を落としました。 「良いの?」 肩の三線が問い掛けます。 「何が?」 「クマタンだよ。いつもあんな簡単に諦めて良いの?」 鼓吹さんはいつも本気で言っています。 なのに……いつだってクマタンの一言で簡単に引いてしまいます。 三線の言葉に鼓吹さんは「ふふ」と笑顔を浮かべ。 「無理に言って嫌われちゃったら意味無いし……それに」 あの子達は『弟子』と『師匠』にはなれないし。 「?どうして?」 肩から三線が降り、机の上でトグロを巻いて頭を傾けます。 口元からチロチロと赤い舌を出しながら。 「だって、あの子達は『家族』じゃないか。もしも師弟っぽい事してもそんな感じにはなれなそうじゃない?」 そう言って鼓吹さんは本当に楽しそうに微笑みました。 |
END
| クマクマ堂。そんな店が近所にあります。 鼓吹さんってこんなキャラだったのかぁ(笑)って、設定自分で作っておいてなんですが。 そして三線が初めて喋った! どんな声なんでしょう? |