★Novel >> 人形/葉月 ルナ

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 クマタンはシルヴィのお友達です。
 別にご主人様の使い魔ではありません。
 現在はご主人様の元で『弟子見習い』をしている魔法使い志望なのです。

 まだご主人様自体が一人前ではないので何も教えてもらえてないのですが……
 他の魔法使いの所に行く気は全くクマタンにはありません。






 まるでぬいぐるみの様な種族、ヌイ族の出身です。
 もしも人形の中にまぎれてしまったらきっと区別がつかないでしょう。






「おっ買い物〜おっ買い物〜♪」
 某CMの曲を歌いつつ、シルヴィとクマタンはあるお店にやってきました。
 本日は少し前に遊びに来たお兄さんと一緒にお出掛けです。(NO81参照)
「あまりウロチョロすんなよ?」
「「は〜い!」」
「………返事はいいんだけどなぁ……」
 そう言ってお兄さんはコメカミを押さえました。
 もうシルヴィとクマタンはウロチョロする為に店の奥に行ってしまったからです。
 返事は良いのですが……
「黎明の奴の言う事は聞くのになぁ……」





 入った店は人形屋と言い、様々な人形を売っている店です。
 可愛らしい人形やら。
 少し怖い人形やら。
 種類は多々あります。



 今回、お兄さんは呪詛に使う人形を買いに来ました。
 『じゅそ』の意味が分からないので、二匹は後でご主人様に聞く事にしました。
 それを言うと、お兄さんはあさっての方向を見つめつつ。

「あ〜……きっと奴は教えないんじゃないかなぁ?」

 と言っていました。




「わぁ〜!!クマタンそっくり!!」
「ほんとだね〜」
 そう言ってシルヴィとクマタンはフワフワな人形、ぬいぐるみの棚に近寄りました。
 首に抱きついてみると柔らかくて気持ちよくなりました。
「ん〜vv気持ちいい〜」
 長い耳をパタパタさせつつ、シルヴィは嬉しそうに笑っています。
「けど、僕の方が可愛いもん!」
 クマタン、ちょっとジェラシーを感じている様です。





「さて」
 藁で出来た人形を二個腰ポケットに入れつつ、お兄さんは辺りを見回しました。
「お〜い、帰るぞ〜?」
 そんなに広くない店内ですが、小さい二匹は見当たりませんでした。
 声をかけますが……返事は無し。
「………?」
 少し考え。


「まさか………」




 何か、考えが過ぎったようです。
















「?遅かったね」
 家でホットケーキを焼いていたご主人様は帰ってきたお兄さんを見て首を傾げます。
「あぁ……」
 両腕に眠っている二匹を持ち、お兄さんは溜息をつきました。
 何故か髪はボサボサです。
「………どうしたの?」
 居間のソファーに二匹を寝かせ、お兄さんの髪を櫛で治すご主人様。
 お兄さんは死にそうな顔をしつつ何があったのかを説明してくれました。
「実はな……買い物してる間にぬいぐるみに混じってて……探すのに滅茶時間かかったんだ……」
 まだ最初の棚にいてくれれば良かったのですが……
 二匹は暖かい場所を求めて奥へ奥へと行ってしまったのです。
 そのせいで……お兄さんは棚の一番奥まで手を伸ばさなくてはならなくなってしまったのです……
「しかも………よりにもよって……『クマと兎』の人形にまぎれてて……」
 その言葉を残し、お兄さんは寝てしまいました。
 一人残されたご主人様は……苦笑しつつ、お兄さんに毛布をかけてやりました。




「お疲れ様……キリチョ」


END


同じく365のお題より。
何でこんなに可愛らしいんでしょう……(*^。^*) 癒されます。キリチョはカッコいいし(爆)
このままこのサイトがクマタン&シルヴィに乗っ取られそうなくらい好きです(笑)←2006年以降、私の短編小説をしるくま以外外してしまったので完璧に乗っ取られました(笑)
「僕の方が可愛いもん!」……って、ええ、可愛いですとも! 愛らしすぎます!(暴走)


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