★Novel >> ある日の様子/葉月 ルナ
「よっと」 ご主人様は朝食の準備をしていました。 今日のメニューはクマタンのリクエスト。 ハムエッグと暖かいご飯、わかめの御味噌汁です。 台所からは卵の良い匂いがしてきます。 クマタンは小さい尻尾をパタパタ動かしつつ嬉しそうにテーブルの上を片付けていました。 そのお腹からは「きゅ〜」と音が…… 「あ、シルヴィを起こしてきてくれる?」 フライパン片手にご主人様が声をかけてきました、クマタンは「は〜いv」と返事をして椅子から飛び降りました。 そんなクマタンの姿を見つつ。 「………やっぱり、ちゃぶ台にした方が良いかな……」 ご主人様はそんな事を思っていました。 トントン。 「お〜い、シルヴィ〜」 シルヴィが寝てる部屋のドアを叩くクマタン。 返事が無いのを確認し、クマタンは部屋の中へと…… シルヴィの部屋、と言っても……クマタンの部屋でもあるのですが。 「お〜い?」 まだ毛布に包まっているシルヴィに近づき、クマタンは声をかけます。 「ん〜」 シルヴィは長い耳をパタパタさせつつ寝返りをうちます。 クマタンは早くご飯が食べたいのでシルヴィの身体を揺らします。 「ねぇ〜!!シ〜ルヴィ!!」 「む〜……にゅ〜」 揺らすだけではシルヴィの睡眠を深めるだけだという事に気がついたクマタン。 それならば!と今度は背中をポテポテ叩く事にしました。 「お・きろ〜!!!」 ぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽて!!! 両手を千手観音の様にするクマタン、叩く場所を上から下へゆっくり移動させます。 ぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽて……ぼべん! 「!!!!!?」 驚いて手をクマタンは慌てて引っ込めました。 今の音は一体何事!? 元々丸い瞳がもっと丸くなります。 クマタンは恐る恐る、シルヴィの『尻尾』へ手を伸ばしました。 そして、ゆっくりと……力を入れました。 ぼべん!!!! またも鳴る音。 先程自分を驚かせた音の発信源、それは……友人の尻尾である事が判明しました。 「え……えぇぇぇ!!!!!?」 「う?何…??」 再度驚くクマタン、その声でやっとシルヴィは目を覚ましました。 目の前で停止しているクマタンに首を傾げますが、すぐに卵の匂いに耳をピンとさせます。 「あ〜!!卵の匂いだ〜!!ご主人様の〜?」 「あ、起きた?」 大声を出しつつ台所に向かうシルヴィ、そんなシルヴィに笑顔を向けるご主人様。 でも……クマタンはその場を動く事が出来ませんでした…… だって………友人の尻尾から『ぼべん』ですよ? もしや!と思い、自分の尻尾を押してみるも……音は鳴りませんでした。 シルヴィって……一体何者!? ある日の日曜日の朝でした。 |
END
シルヴィの尻尾はふわふわしてます。そんな愛らしい尻尾から……!(笑) ……というネタで絵を描いてもらったことがあるんですけど、今回文章化をお願いしてみました〜。 驚くクマタンが可愛かったり♪ 使い魔を作成した時に何か入れたんですよ、ご主人様。 私かなりお気に入りなので、漫画も描きました。ILLUST内にありますので。 |